fl_soprano’s blog

観に行った舞台の感想がTwitterで纏めることが出来ない時のみ使用します。

TAAC『正義姦』

浄土宗應典院 本堂で公演されています。まず、会場の名前変わったんですね。前はシアトリカル應典院っていうカッコいい名前だったんだけどなーとか思いつつ、お寺さんだからちゃんとした名前の方が良いんだなと、勝手に解釈しています。

https://www.taac.co/seigikan

公演内容とストーリー、出演者の詳細は此方より↑

此処から個人の思ったことをつらつら書いていきます。相変わらず読みにくい文ですみません。


パワハラモラハラ、老々介護、格差差別、男女差別、本当に現代問題にリークしていて、更に言うならば、若者と年配者の価値観の違い。今の日本の問題がそこここらにあり、一言で言うとストーリーは辛かった。でも目を背けちゃいけないんですよね…

正義には犠牲が必要。田渕さん演じる苧環が霜さん演じるマビキくんに言った台詞。正義を早く言うと犠牲が聞こえてくるようになる。一見無理やりこじつけているんじゃないかと疑うのですが、正義のヒーローが存在するには悪という存在がある、じゃあ悪とは何か?と考えてしまいました。自分が悪だと思ってたことは実は他の人からしたら正義。表裏一体。その後のマビキくんの行動がもう辛い。塵さんの事を思ってやってることだと本人が思い込んじゃってる辺り…
田渕さん繋がりでもう1つ、丹下さん演じる塵、西川さん演じる肥科の上司なのに、部下に仕事押し付けて自分は難逃れする。部下の成果を横取りする、挙げ句は責任を押し付ける。上司も人間だからどうしても自衛するために相手を犠牲にして自分を正義とする。仕方ないとは言え、ゲスい。田渕さんあんなゲスい役されるんだ…と圧巻してました。
三好くん演じるオヒガン、緒方さん演じるキンギョ。この二人が特に先に記述した若者と年配者の価値観の違い。昔と今を比べるんじゃねぇ!と私も仕事でリアルに何度も思ったことか…なんとなく気持ちは分かるが、私はオヒガン程ひねくれる勇気はない(笑)でも実際こんな部下持ったら嫌やわ…(その辺はキンギョさんに同情出来ます…)余談ですが、オヒガンの持ってるカメラ、あれちゃんと写真撮れるんですね。


ところで、今更ながら、なぜ『正義姦』という題名なんだろと思いました。普通に表記すると『正義感』だよなと思い、この『姦』と言う字をちょいとググってみました…
https://www.weblio.jp/content/

よこしまとかかしましいとかの読み方もありますが、要は擦り付け、押し合い。(って言うとまた違う…)エゴを自分より下に押し付ける…あっこれなら近いかな?いずれにしても権力者が強制的に弱い立場を支配する。昔も今もそれは変わりませんね…
(例えば、丹下さん演じる塵の肉食女子的な感じ、田渕さん演じる上司(根を張らない))

後半

非ネットリテラシーとマスコミによる過剰報道。そんななかでも塵を信じる西川さん演じる肥科。肥科がやってることは偽善じゃないかな。自分が犠牲になることで彼女を守る。正直、自分がそれされると物凄い嫌悪感を抱きます。そんなことまでして、守ってほしくない。
それはおそらく塵さんも考えたんじゃないかと思いますが、人は窮地に立たされると本当に何も出来ませんからね…肥科さんを救いたくても救えない。なんとももどかしい…けど、それも今の日本で起こっている問題。


最初から所々出てたのですが、あわさんと立花さん老夫婦の結末。あわさん演じるいちょうさんは認知症入ってて、立花さん演じるボウシはそれで心身限界の末、心中しかけるが、留まるというシーン。このシーンのあわさんが凄かった……忘れててもおじいさんの事はずっと愛してる…(´;ω;`)



小さな舞台なのに他人事ではない問題ばかり。辛かったけど、これが今の日本の社会問題なんだと言いたい。

余談ですが、開演前に枯れる植物園という企画があり、ちょいと見てきました。

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一つ一つ、一輪挿しの花瓶が糸に繋がっててこう言うのを世間ではエモいって表現するんでしたっけ?本当にエモかったです…

もうひとつおまけ。
今回正義姦のチラシビジュアルだけで製作したアクセサリーがあるのですが……

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これ、最初製作の段階で硝子が曇ってしまいましたが、見終わってから、ヒビ入れればよかったなと思いつつ……(本当はヒビ加工する予定でしたが時間が無くて諦めました)